●月蔵経の終末殺戮兵器の出現や天変地異を暗示。 これに対し、大乗仏教では「三時説」による終末論を唱えた。 三時説とは、釈迦が入滅して以降の歴史を正法、像法、末法の3期に区切って理解するもので以下のように考えられている。
①正法、仏教の教え、仏教の修行、解脱に至る悟り(証)がそろって具現して正しく伝わる仏滅後1000年(ないし500年)までの時代。
②像法、教えと行は伝わり、ほぼ正法時代に準じた仏教が行われるが、証を得る者が出ない正法後の1000年(ないし500年)間の時代。
③末法、教えは伝わるが、行も証もなく広教が著しく衰微する像法後1万年の時代、この末法1万年を過ぎるともはや教えも伝わらず、仏法そのものが消える。
『法滅』時代に入ると考えられたのです。 釈迦が入滅した年については諸説があるが前480年前後という点では一致している。 と、すれば正法1000年、像法1000年として計算しても世界は西暦1520年前後から末法に入っていることになる。
この末法に起こる出来事について最も詳しく書き残しているが『大方等大集臓経』というお経の中の『法滅尽品(ほうめつじんぽん)』である。 同経によれば、末法の最初の500年間は『闘諍堅固(とうじょうけんご)白法隠没』の時代ーー世界が思想の混乱による激しい闘争によって覆われ真実の法(白法)が隠れ滅びる時代だという。 この時代は西暦1520年前後から2020年までの期間に該当する。 つまり今という時代は、まさにこの闘諍堅固時代の最終局面に当たっているのである。 その時どんなことが起こるか『月蔵経』を通して具体的に見ていきます。
まず、世界の闘争はこう描かれる『東西南北の国王が互いに戦争をし侵略を行う人民、僧侶を殺戮し、女は犯し、町は焼き払い寺院を壊し寺宝を盗むこの戦争の暗示は、西暦2020年後まだ続く『闘諍堅固』時代を通じて働く『東西南北の国王』による戦争とは世界大戦を指すが、すでに世界大戦は2度も現実化している。 しかも、その終わりという保証はない。 というのもこうした戦争の芽は2020年後まで途切れないからです。 この経が無気味なのは、この際に用居られるであろう恐るべき殺戮兵器の予言らしき部分が含まれていることである。 「虚空中に大音声が響き渡り、大地が震える。 すべてのものが揺れ動き、その様子は見ずに広がる輪のようである。 城壁は砕けて落下し家屋はことごとく折れ、へし曲がる樹木の根も枝葉も実も尽きる。
次に続きます。