現世中心主義が仏教をダメにした②

新興宗教には大きな弱点がありました。 仏教系の新興宗教は在家仏教徒の集団であり、聖職者つまり僧侶が存在しなかったのです。 そのため、信者の家に死者が出ても、葬式を出す事ができません。 信者達は捨ててきたはずの故郷の宗派に従い葬式を上げることになったのです。 そのときだけは既成仏教の力を借りなければいけなかったのです。 それは葬儀を契機に信者たちが元の宗教へ戻ってしまう事を意味していまし…

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現世中心主義が仏教をダメにした①

江戸時代には思想的な立場から仏教批判が行われました。 幕末から明治維新にかけ、神道や国学の側からの廃仏論が盛んとなったのです。 そのため地域によっては、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、多くの寺院や仏像が破壊されました。 近代社会を形成する上で、仏教は時代遅れの宗教として排斥されようとしていたのです。 明治の知識人や僧侶の中には仏教の改革を志すものもいました。 しかし、さほど社会的な影響力を…

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